Research & Works

窓の進化系統学

"Windowology 10th Anniversary Exhibition" at Spiral Garden, 2017, ©Sohei Oya / Nakasa & Partners Inc.

人間はマドをつくることによって人となった。「ホモ・フェネストラトール」(homo fenestrator/マドをつくる人)としての人間観である。そして、
マドは人と環境をつなぐ多様な意味を有する媒介である。マドの誕生以後、地域生態適応型社会、成長型社会のなかで、人はマドをつくり、社会を進化させてきた。ただ、現今世界は、成長型社会のもつ過消費、不均衡分配に揺れ、そして、それが地球環境問題を生起させてきている。
本研究は、5万年の人類の歴史のなかで、全球的につくりだしたマドを総覧、分析することによって、今後のマドのみならず、環境と人とのありかたへの示唆を得ることを目標としている。

村松伸 東京大学教授/建築史家

建築史家。建築史、都市史、保全学を専門とする。1978年、東京大学工学部建築学科卒業。1988年、東京大学生産技術研究所助手を経て、2008年、東京大学生産技術研究所教授。2009-2014年、総合地球環境学研究所教授。現在、東京大学生産技術研究所教授。国際なかなか遺産委員会共同代表。野蛮ギャルド建築学会会長。著書に、『上海』、『中華中毒』。『アジア建築研究』(編著)などがあり、最新刊に『メガシティ』(全6巻、編著)がある。

六角美瑠 東京大学生産技術研究所特任助教/建築家

東京都生まれ。2001年、筑波大学芸術専門学群建築デザイン卒業。2003年、東京藝術大学建築科大学院修了。2003年-2005年、六角鬼丈計画工房(六角工房)所属。2005年~六角工房分室ミルアトリエ開設。2005年-2010年、東京大学工学研究科博士課程在籍。2006年-2009年、東京藝術大学建築科教育研究助手。2014年、東京大学工学研究科建築専攻博士号取得。2015年-2017年、東京大学先端科学技術研究センター特任助教。2017年~東京大学生産技術研究所特任助教。