ジャパン・ハウス ロンドン『Windowology: New Architectural Views from Japan 窓学 窓は文明であり、文化である』
ジャパン・ハウス ロンドンにて『Windowology: New Architectural Views from Japan 窓学 窓は文明であり、文化である』展を開催
ジャパン・ハウス ロンドン 地下ギャラリー/ 地上階ショーウィンドウ・展示ブース
公益財団法人 窓研究所が企画し、建築史家・建築批評家である五十嵐太郎氏の監修のもと、世界3都市を巡回する展覧会『Windowology: New Architectural Views from Japan 窓学 窓は文明であり、文化である』展が、2021年12月1日(水)から2022年4月24日(日)まで、ジャパン・ハウス ロンドンにて開催されます。
本展では、ユニークな視点で窓の新たな可能性について探求します。建築物の中で窓が果たす本来の役割を超えて、建築、映画、写真、漫画、工芸、環境、テクノロジーなどさまざまな切り口から、日常の生活において必要不可欠な窓の存在に迫ります。
公益財団法人 窓研究所は、窓の歴史、機能、窓が生活や社会に与える影響などについて「窓」を学問の対象として多角的に研究、調査する機関です。本展は、2017年、東京都港区のスパイラルで開催された『窓学展─窓から見える世界─』をベースに、過去から現代まで日本の建築に存在してきた窓の魅力を伝えることを目的に、海外での展覧会に向け再構成されたものです。
また、本展は、当初、昨年の開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から日程を変更して開催する運びとなりました。
本展のみどころ
・生活のどこにでもある窓に焦点を当て、日々の暮らしの中で窓が与える影響について検証します。
・建築、映画、写真、漫画、工芸、環境、テクノロジーなどさまざまな視点から「窓」の果たす役割を解明します。
・別名「十三窓席」といわれ、現存する茶室としては最大の窓数を持つ京都の「擁翠亭」を、起こし絵図を基に実寸大の模型で再現。実際に茶室の中に入ることもできる体験型の展示です。
・アーティスト 津田道子氏による窓をテーマとしたインスタレーションは、ジャパン・ハウスのウィンドウ・ディスプレイの前に広がる街並みと館内の境界を撹乱させ、訪れる人々に窓を越えた新たな経験を喚起します。
ジャパン・ハウス ロンドン企画局長 サイモン・ライト氏のコメント
すべての人にとって、これまでにはない新しい体験ができる展覧会となることを願っています。本展は、日本の茶室に見られる空間をデザインする窓や、職人さんたちが工芸品をつくる工房にある窓など、普段は見過ごされがちな建築物の側面にスポットライトを当てた展覧会です。本展を通じて、日本における窓のユニークな役割を知っていただき、日常生活において窓が与えるさまざまな影響や窓の持つ新たな可能性など、異なる複数の視点に目を向けていただけることを願っています。
「窓学」総合監修 五十嵐太郎氏のコメント
新型コロナウイルスのパンデミックにより長期的な社会的隔離が続き、窓は我々にとって新たな意味を持つようになりました。窓辺を介し社会とのつながりを維持するだけでなく、窓は、医療従事者へ感謝のメッセージを送り、歌を歌い、楽器を弾き、絵を飾るクリエイティブな場となりました。また、室内の換気といった物理的な意味でも、より重要な役割を果たすようになりました。そして、窓が持つ「開く・閉じる」という2つの相反する役割は、経済活動を再開すべきかまたは感染防止を重視して閉鎖すべきかというコロナ禍の社会的課題をも象徴しています。この度ジャパン・ハウス ロンドンにて、我々が行っている「窓学」の多角的な研究成果を紹介することができ大変光栄に思います。この展覧会が、窓が持つ重要性について改めて考えることのできるきっかけになれば幸いです。