Research & Works
手仕事の窓
手仕事を行う日本の作業場や工房では、窓も職人のパートナーとして働く。窓は、照らす光、干す風、加工する熱、燻す煙、蒸す湯気などの自然要素をとり込んだり、吐きだすことで、生産工程に関わるからだ。「働く窓」のまわりでは、土や木、布や紙といった物質の性質が変化し、それを日々の作業のなかで人が鋭敏に知覚することで、感受性や技能が成長する。窓はさまざまな事物のふるまいを連関させることで、身のまわりのエコロジーの触知を可能にしている。