窓学10周年記念「窓学展 ―窓から見える世界―」
展覧会 窓学10周年記念「窓学展 -窓から見える世界-」開催
YKK AP株式会社(本社:東京都千代田区、社長:堀 秀充)は、2017年9月28日(木)から10月9日(月・祝)、スパイラル(東京都港区)にて、窓学の10 周年を記念したエキシビション「窓学展―窓から見える世界―」を開催しました。
YKK APは、「窓は文明であり、文化である」の思想のもと、2007年から窓を学問として多角的に研究する活動「窓学」を研究者・建築家とともに実施し、建築、文化、アートなど、様々な切り口で窓にアプローチしてきました。本展は、「窓学」10周年を機に、こうした窓をめぐる知性や感性を、世界共通の文化として俯瞰し、その魅力に新たなまなざしを向ける展覧会です。
本展では、過去10年間の窓学の多彩な研究成果をわかりやすく紹介し、幅広く窓を考え、感じることのできる展示を行ないました。アカデミックな分野からは、東京大学をはじめとする大学および研究機関より計8 名の研究者が参加・研究展示を行ない、アートの分野からは、レアンドロ・エルリッヒ氏、ホンマタカシ氏、鎌田友介氏の3名が本展のため窓をテーマとした新たな作品を制作・発表しました。併せて、イタリアを代表する建築家ミケーレ・デ・ルッキ氏が特別展示を行ないました。
Exhibition Highlights
レアンドロ・エルリッヒによる「窓」の新作アート展示 と原広司の研究展示の交流
金沢21世紀美術館の作品『スイミング・プール』で知られるアルゼンチンのアーティスト、エルリッヒ氏は、父親などの親族3名が建築家という、建築への造詣も深いアーティストです。本展では、2008年度に窓学で「窓のものがたり学」を研究した、建築家であり東京大学名誉教授の原広司との交流がおりなすファンタジックな窓のアートが表参道に誕生します。「窓という要素は、最も詩的で隠喩的なポテンシャルを持っている」というエルリッヒ氏は、童話や小説に登場する窓をとりあげる原広司氏の窓学研究「窓のものがたり学」と呼応するかたちで、窓が本来持つ力を呼び起こし窓の創造力を掻き立てる新しい作品を制作しました。
ミケーレ・デ・ルッキと窓学
イタリア人の建築家でありデザイナーであるデ・ルッキ氏は、2005~2006年に、窓学誕生のきっかけとなったYKK AP株式会社のリサーチ・プロジェクトに参加しました。本展ではデ・ルッキ氏がこのリサーチの際に制作したペインティングを2点公開しました。また2014年にデ・ルッキ氏が窓研究所のインタビューを受けた際に描き、本展覧会のメインビジュアルでもあるドローイングもあわせて初公開しています。窓を建築における最も重要な要素であると考えるデ・ルッキ氏は、“There is always a good reason to open a window smiling!”(笑顔で窓を開けることがとても大切だ。窓を開け、世界に挨拶しよう!)というメッセージを綴っています。
シンポジウム 「窓学国際会議―窓は文明であり、文化である―」
会期中の2017年10月3日(火)には、シンポジウム「窓学国際会議―窓は文明であり、文化である―」を開催。世界的な建築写真家であるイワン・バーン氏、歴史家・建築家として精力的に活躍する藤森照信氏、スイスから来日する建築家・建築史家のヴィットリオ・マニャーゴ・ランプニャーニ氏や、建築家ミケーレ・デ・ルッキ氏をはじめ、これまで窓学に参加した多彩な分野の専門家に、海外からもユニークなゲストを加え、27名の招待講演者による国際的かつ学際的な窓の研究発表と講演が実現しました。
※社名、肩書等は2017年時点のものです。